米オバマ政権は、10日に発表する金融安定化策が銀行システム救済につながることを期待している。しかし、専門家は議会の承認を取り付けることも実行するのも難しく、最終的に失敗に終わる可能性もあるとみている。  ガイトナー財務長官は、不良資産の政府保証、銀行からの不良資産切り離し、住宅ローン返済条件変更支援などさまざまな措置を発表する見通し。  アナリストのなかには、すでに失敗した取り組みの寄せ集めで、銀行システムを支援はしても修復はしないのではないかと懸念する向きもいる。  独立系銀行コンサルタントのレイ・ソイファー氏は「基本的に景気が良くならならないと、銀行も回復しない。景気は悪化し続けており住宅価格も下落基調だ。金融安定化策は銀行にとって必要だが十分ではない」と述べている。  銀行システムが潜在的に必要とする資本は、1兆ドルを超えると試算されている。昨年10月に成立した金融安定化法に盛り込まれた不良資産救済プログラム(TARP)と呼ばれる公的資金枠は残りが約3500億ドル。ガイトナー長官は10日に追加措置を発表すると予想されている。  元米連邦準備理事会(FRB)議長でオバマ政権の経済再生諮問会議の議長を務めるボルカー氏は4日、上院銀行委員会の公聴会で、クレジット市場の収縮を打開するために「さらに十億ドル単位の資金」が必要になるとの見解を示した。  しかしコストの重い銀行救済措置を議会に承認させるのは難しい。議会内は、どう銀行システムを支援するかで百家争鳴だからだ。  この数日は、会計規則の変更が有効かどうかが議論になった。  上院銀行委員会のドッド委員長は4日、金融機関の時価会計規則変更の検討は可能との見解を示した。ところが翌5日には財務省と米証券取引委員会(SEC)が時価会計規則変更について協議していない、との関係筋の話が伝わった。  議会はすでに大型景気対策に懸命に取り組んでいると指摘するのは銀行業界コンサルタントのバート・エリー氏。  調整に調整を重ね、オバマ大統領が目指す2月16日までの議会通過がみえてきたところで、「(銀行に関する)法案をただちに推し進めれば、法案作業に過度な負担がかかりかねない」という。 
FXブログ  <即効性を阻む要素>   金融安定化策は、早期実行が難しかったり、インパクトが薄れるという弊害もはらみ状況は複雑だ。  政府が不良資産を買い取る機関を設立するとなれば、資産の適正な価値を算定できるかが問題となる。これは、TARPの当初の構想でも問題になった。  住宅ローンの返済条件変更は、すでに一部銀行が行っている。これで住宅危機は幾分和らいだかもしれないが、セクター回復には程遠い状況。返済条件を緩和しても、再びデフォルト(返済不履行)するローンは相当の割合を占め、借り手の問題が返済条件変更で解消しないほど深刻なことを物語っている。  ニューヨーク大学スターン経営大学院のローレンス・J・ホワイト教授(経済学)は「これらのプログラムについて、自分はどちらかというと楽観的だってきたが、ずっと裏切られている」と述べ、金融安定化策の効果が出るには数カ月かかる可能性があるとの見方を示した。